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ヴェルサイユのダイヤモンド②
ルイ14世時代の枢機卿で国王に次ぐ為政者のジュール マザラン。彼はベルギーのアントワープに新しいダイヤモンドのカッティングを依頼していますが、これは今日〝マザラン カット〟と呼ばれています。このカットはダイヤモンドのクラウン部にテーブル面を施したブリリアントカットの初期のものと言われており、それ以前のシングルカットに対し、ダブルカットとも紹介されています。ダイヤモンドのガードルシェープ(輪郭)は現在でいうクッションカットにあたります。当時の為政者がダイヤモンドのカッティングに関わる事や、フランスではなく、アントワープにそれを依頼することはとても興味深い事で、このころのアントワープがヨーロッパにおいて、ダイヤモンドカッティングの比類なき地位を確保していたことが伺えます。