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ヴェルサイユのダイヤモンド④
革命前夜のフランスでセンセーショナルな事件が沸き起こります。後世に〝首飾り事件〟と語り継がられるこの事件は、時のフランス王妃マリー アントワネットをもまきこんで、フランス革命の原因の一つに数えられています。先王であるルイ15世は愛人に540個ものダイヤモンドがあしらわれた首飾りを送ろうと宝石商に発注しますが、王が他界した為この首飾りは宙に浮いてしまいます。困った宝石商はマリー アントワネットのもとへ売り込ものの断られてしまいます。この事態にラ・モット伯爵夫人が乗じて、宝石商と自己の栄達の為にマリー アントワネットに近づきたい、ロアン枢機卿の間をとりもち、詐欺を計画して実行しました。王妃マリー アントワネットの購入代理という形でロアン枢機卿は首飾りを伯爵夫人から購入、さらに王妃に渡してもらう為に首飾りを伯爵夫人に預けてしまいます。首飾りはその後バラバラにされてロンドンで転売されてしまいました。当然代金が宝石商に支払われることはなく、業を煮やした宝石商により事件が明るみに出ました。この事件は今日まで漫画ベルサイユのばらをはじめ、映画や舞台にてたびたび取り上げられています。マリー アントワネットによりこの件はフランスの司法機関に持ち込まれラ・モット伯爵夫人は有罪とされますが、結果フランスの世論は王妃と王室に対する憎悪をより強めてしまいました。